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感覚過敏のお子さまへの対応|放課後等デイでの環境調整と家庭での工夫

感覚過敏(触覚・聴覚・視覚など)を持つお子さまへの支援方法を解説。放課後等デイサービスでの環境設定の工夫と、家庭でできる日常的なサポートを紹介します。

最終更新:2026年04月13

感覚過敏のお子さまへの対応|放課後等デイでの環境調整と家庭での工夫

感覚過敏とは、聴覚・触覚・視覚・嗅覚・味覚などの感覚が人より敏感な状態を指します。自閉スペクトラム症(ASD)や感覚処理障がいを持つお子さまに多く見られ、日常生活のさまざまな場面で困難が生じます。適切な環境調整と理解ある関わりで、お子さまは落ち着いて生活できるようになるケースが多くあります。

感覚過敏の種類と具体的な困りごと

感覚の種類

具体的な困りごと

聴覚過敏

掃除機・救急車の音・学校のチャイムが苦痛。教室が騒がしいと思考が止まる

触覚過敏

タグが気になって服を着られない。他の人に触れられるのが嫌。特定の素材が苦手

視覚過敏

蛍光灯がちかちかして目が痛い。特定の色・模様を見ると不快感が強い

嗅覚過敏

給食の臭いで気分が悪くなる。香水・洗剤の匂いが耐えられない

味覚過敏

特定の食感・味が強烈に感じられる。偏食につながることが多い

固有受容覚の問題

力の加減が難しい。体の位置感覚が不安定

放課後等デイサービスでの環境調整

iHomeでは開所から、感覚過敏を持つお子さまが安心して過ごせる環境づくりに力を入れています。主な工夫を紹介します。

空間・音環境の整備

  • 蛍光灯ではなくLED電球を使用し、光の刺激を軽減
  • 「静かな活動エリア」を設けて、必要に応じて一人になれる空間を確保
  • イヤーマフや耳栓の使用を許可・奨励
  • カーペットや吸音パネルで音の反響を抑える

触覚・服装への配慮

  • タグカットや素材変更を認め、本人が快適な服装で来所できるよう柔軟に対応
  • スタッフからの接触は必ず声をかけてから(突然触れない)
  • 手を使う活動で過敏が強い場合はグローブや道具を代替手段として用意

家庭でできる感覚過敏への対応

放デイと家庭が連携して対応することで、お子さまの安心感は格段に増します。

「わがまま」ではなく「感覚の問題」と理解する

感覚過敏の最大の困難は、周囲から「わがまま」「大げさ」と誤解されることです。お子さまが「この服は着たくない」「この食べ物は食べられない」と言う時、それは多くの場合、本当に不快・苦痛に感じているサインです。まず「そうか、嫌なんだね」と受け止めることが大切です。

感覚の「安全メニュー」を作る

お子さまが心地よく感じる感覚刺激(好きな素材・音・色など)をリストアップしておくと、不安が高まった時の対処に役立ちます。iHomeでは、開所後は「感覚プロフィール」シートを使って、一人ひとりの感覚の特性を保護者さまと一緒に整理していく予定です。

感覚統合療法とは

感覚過敏や感覚の問題への専門的なアプローチとして「感覚統合療法(感覚統合訓練)」があります。これは作業療法士が専門的なプログラムを通じて、感覚処理の問題に働きかけるリハビリの一種です。

感覚統合療法では、ブランコ・ボールプール・トランポリンなどの感覚刺激を使いながら、脳の感覚処理を整えることを目指します。すべての放デイで受けられるわけではありませんが、作業療法士が在籍・協力している事業所では実施が可能です。

感覚過敏別の具体的な家庭での工夫

聴覚過敏への工夫

  • 学校のチャイムや掃除機の音が苦手な場合→イヤーマフを外出時に常備する
  • 食器が当たる音が苦手→シリコン製の食器を活用する
  • テレビ・動画の音量を最小限にする

触覚過敏への工夫

  • タグが気になる→購入前にタグをカット、またはタグなしの衣類を選ぶ
  • 特定の素材(ウール・化学繊維など)が苦手→木綿・シルク素材を優先する
  • 靴の履き口や靴下の縫い目が気になる→シームレスの靴下・ゆったりした靴を試す

視覚過敏への工夫

  • 蛍光灯がまぶしい→遮光グラスやカラーレンズを試す
  • 白い紙の反射が強い→クリーム色や薄いグリーンの紙を使う
  • 視覚刺激が多い環境で落ち着けない→部屋の装飾をシンプルにする

学校での合理的配慮を求める

感覚過敏があるお子さまが学校で困っている場合、「合理的配慮」として環境調整を求めることができます。具体的な例を挙げます。

困りごと

合理的配慮の例

給食の臭いで気分が悪くなる

換気の良い席への配慮、苦手な食品の代替

教室が騒がしくて集中できない

イヤーマフの使用許可、静かな場所での学習

制服の素材が苦痛

インナーを自由に選ぶことの許可

蛍光灯がつらい

席を窓側・蛍光灯から遠い位置に変更

iHomeでは、学校への合理的配慮の申請を保護者さまと一緒に考えるサポートも行っていく予定です。「学校に何を伝えればいいかわからない」という方は、ぜひご相談ください。

まとめ

感覚過敏は「治す」ものではなく「付き合い方を学ぶ」ものです。適切な環境調整と周囲の理解があれば、感覚過敏を持つお子さまも安心して毎日を過ごせます。iHomeでは、開所後は見学時にお子さまの感覚特性についても詳しくお聞きし、個別の対応プランをご提案していく方針です。感覚過敏についてのご相談もお気軽にどうぞ。

感覚過敏のお子さまを初めて放デイに連れてくる際の注意点

感覚過敏があるお子さまにとって、初めての場所は刺激が多くて不安です。iHomeで開所後に実践していく「初回来所時の配慮」をご紹介します。

  • 事前に施設の写真・動画を見せる:「これから行く場所」のイメージを持ってから来所すると、不安が軽減されます。iHomeでは、開所後は見学前にLINEで施設の写真をお送りしていく考えています。
  • 人が少ない時間帯に来所する:初回は子どもたちが少ない時間帯(例:平日の午後遅め)での見学をおすすめしています。騒がしい環境への慣れは徐々に進めるのが原則です。
  • 本人ペースで部屋に入ることを許可する:入室を強制せず、ドア越しに様子を見るだけでも構いません。最初は廊下から眺めるだけで終わってもよいと伝えることで、お子さまの安心感が増します。
  • 感覚の「安全アイテム」を持ってきてよい:好きなぬいぐるみ・お気に入りの玩具・イヤーマフなど、安心できるアイテムの持参を歓迎しています。
  • スタッフから積極的に話しかけない:感覚過敏のお子さまには、初対面のスタッフが突然声をかけることがストレスになる場合があります。iHomeでは本人が慣れるまで距離を保ちながら関わります。

感覚過敏と二次障がいの関係

感覚過敏が長期間にわたって「わがまま」「大げさ」と誤解され、無理を強いられ続けると、不安障がい・うつ・自傷行為などの二次障がいにつながるリスクがあります。9年間の支援経験の中でも、感覚過敏への理解が得られなかったことで二次的な問題が起きたケースを多く見てきました。

「うちの子は最近ますます感情が不安定になってきた」「学校に行きたがらなくなった」という変化には、感覚過敏が背景にある可能性があります。まず専門機関や放デイのスタッフに相談することが大切です。iHomeでは感覚過敏と二次障がいの予防について、保護者向けの勉強会も予定しています。

感覚過敏チェックリスト(保護者向け)

以下の項目に当てはまることがある場合、感覚過敏が関係している可能性があります。放デイ見学時にスタッフにお伝えください。

  • □ 特定の服・靴・靴下を嫌がる(素材・縫い目が気になる)
  • □ 給食・食事で特定の食感・臭いを強く嫌がる
  • □ 大きな音(チャイム・掃除機・花火)を極端に怖がる
  • □ 人混みや騒がしい場所に行くと極端に疲れる・パニックになる
  • □ 蛍光灯・日光がまぶしすぎると訴える
  • □ 人に触れられることを嫌がる(特に突然触れられる場合)
  • □ 偏食が強く、受け入れられる食品の種類が極端に少ない
  • □ 歯磨き・洗髪・爪切りを激しく嫌がる

4つ以上当てはまる場合は、感覚過敏への専門的な支援を検討することをおすすめします。iHomeでは、開所後は見学時に感覚特性の聞き取りを行っていく予定です。

iHome
監修

iHome 児童発達支援管理責任者(支援経験9年)

放課後等デイサービスの現場で9年間、お子さまの支援に携わってきました。この記事は、現場での実体験と最新の制度情報に基づいて内容を監修しています。

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