レスパイトケアとは?保護者の休息と放課後等デイサービスの役割
レスパイトケア(介護する家族の休息支援)の意味と必要性を解説。放課後等デイサービスがレスパイト機能を果たす側面と、保護者さまが「休むこと」への罪悪感を手放すための考え方を伝えます。
最終更新:2026年04月12日

「レスパイトケア」とは、障がいのある方を介護・ケアしている家族が一時的に介護から離れ、休息を取るための支援のことです。放課後等デイサービスは療育の場であると同時に、保護者さまの大切なレスパイト時間を生み出す場所でもあります。「休むこと」は「サボること」ではありません。
なぜ保護者の休息が必要か
障がいのあるお子さまを育てる保護者さまは、一般の子育てに比べて心身の負担が大きい傾向があります。通院・療育・手続き・学校対応・日常ケア…これらを毎日こなすことで、保護者自身が燃え尽きてしまう「バーンアウト」に陥るリスクがあります。
現場で9年間多くのご家族と関わってきた中で気づいたことがあります。保護者さまが心身ともに健康であることが、お子さまの健全な発達の土台になるということです。保護者さまが疲れ果てていると、どんなに愛情があっても余裕のある関わりは難しくなります。
放課後等デイサービスのレスパイト機能
放課後等デイサービスがお子さまを預かっている時間は、保護者さまにとって貴重な「自分時間」です。この時間を以下のように活用している保護者さまがいらっしゃいます。
- 通院・治療(保護者自身の健康管理)
- 仕事・就労の継続
- きょうだい児との時間
- 趣味・気分転換
- 単純に「昼寝する」「ゆっくりお茶を飲む」
「放デイに預けている間に自分のことをするなんて…」という罪悪感を感じる保護者さまは多いです。でも、休息を取ること・自分を大切にすることは、長期的にはお子さまへの関わりの質を高めることにつながります。
「預けることへの罪悪感」を手放すために
多くの保護者さまが「施設に預けるのはかわいそう」「もっと自分でみなければ」という思いを持っています。しかし、お子さまを専門家に預けることには大きなメリットがあります。
- 専門的な支援を受けながら仲間ができる
- 家庭とは違う環境での社会性が育つ
- 「家族以外の大人と関わる経験」が将来の自立につながる
放課後等デイサービスの利用を通じて始めたお子さまの多くが、最初の1〜2ヶ月で「放デイに行くの楽しみ!」と言ってくれるようになります。それを見た保護者さまから「最初は罪悪感があったけど、今は安心して任せられる」というお言葉をいただくことがよくあります。
行政が提供するレスパイト支援
放デイ以外にも、保護者の休息を支援する制度があります。
- 短期入所(ショートステイ):数日間、専門施設で泊まりながら支援を受けるサービス
- 日中一時支援:日中の一時的な預かり支援(放デイと併用可能)
- 訪問系サービス:居宅介護・行動援護など、家庭に来てもらうサービス
これらの制度についても、iHomeやお住まいの区の障害者支援課にご相談ください。
静岡市でのレスパイト支援の活用方法
静岡市では、放デイ以外にも複数のレスパイト支援が利用できます。以下の制度を組み合わせることで、保護者さまの負担をより効果的に軽減できます。
サービス | 内容 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|
短期入所(ショートステイ) | 1〜数泊、専門施設でお子さまを預かるサービス | 各区障害者支援課 |
日中一時支援 | 放デイとは別に、日中の一時預かりをするサービス | 各区障害者支援課 |
移動支援 | 外出時のヘルパー派遣。保護者なしでの外出支援 | 各区障害者支援課 |
訪問介護(居宅介護) | 自宅でのケアをヘルパーが担うサービス | 各区障害者支援課 |
「放デイだけでは足りない」「もっと休む時間が必要」という場合は、これらの制度を複合的に活用することをおすすめします。
「休みたい気持ち」への罪悪感を手放すための考え方
多くの保護者さまが「子どもを施設に預けて自分が楽しんでいいのか」という罪悪感を感じています。しかし、この罪悪感は本当に不要なものです。以下の点を考えてみてください。
- 飛行機の安全案内では「自分が酸素マスクを付けてから子どもに付ける」と案内されます。緊急時に自分が機能しなければ子どもを守れないのと同じです
- 休息を取った後の保護者さまはより穏やかで、笑顔が増えます。お子さまはその変化を直感的に感じ取ります
- 放デイで過ごす時間は、お子さまにとって「専門家による豊かな支援の時間」です。預けることは「放棄」ではなく「専門的サービスの活用」です
保護者同士のつながりの大切さ
「同じ立場の保護者と話したい」という声もよく聞きます。同じ経験を持つ方との対話は、プロのカウンセリング以上に力になることがあります。iHomeでは保護者向けの情報共有の機会を不定期で設けています。「他の保護者さんとつながりたい」という方もお気軽にご相談ください。
まとめ
レスパイトケアは「贅沢」ではなく、障がい児を育てる家族に必要な「休息の権利」です。放課後等デイサービスを含む複数のレスパイト制度を活用し、保護者さまが持続可能なケアを続けられる体制を作ることが、長期的にはお子さまの幸せにもつながります。iHomeでは保護者さまの気持ちに寄り添いながら、ご家族全体を支えていきたいと考えています。
レスパイトを取るために保護者が乗り越えるべきハードル
「必要性はわかっているが、実際に休むのは難しい」という保護者さまが多くいらっしゃいます。よくあるハードルとその対処法をご紹介します。
- 「休んでいる間に何かあったら」という不安→事業所のスタッフに「何かあったらすぐ連絡してほしい」と伝え、緊急連絡体制を確認しておきましょう。iHomeでは緊急時の連絡を迅速に行う体制を整えています。
- 「他にやることがあるから休めない」→「完璧にこなすこと」を一時的に諦める練習も大切です。家事は少し手を抜いて、30分でも自分のための時間を作ることから始めましょう。
- 「パートナーや周囲に休むと言いにくい」→「レスパイトは医療的にも推奨されている休息支援」であることをパートナーに伝え、交代で休息を取る仕組みを話し合ってみましょう。
- 「子どもが放デイに行きたがらない」→最初の通所時に慣れるまで時間がかかることは多いです。iHomeでは徐々に慣らしていくアプローチを取っています。焦らず続けることで、多くのお子さまが「行きたい!」と言うようになります。
放デイを活用した保護者の1週間モデル例
放課後等デイサービス(週3回)を利用した場合の保護者の1週間の例です。
曜日 | 放デイ利用 | 保護者の活用例 |
|---|---|---|
月曜(放デイあり) | 14:30〜17:30 | 通院(保護者自身の健診・治療) |
水曜(放デイあり) | 14:30〜17:30 | 仕事(パート・在宅ワーク) |
金曜(放デイあり) | 14:30〜17:30 | きょうだい児との特別な時間(習い事の送迎・一緒に買い物) |
火・木(放デイなし) | - | 通常の育児・家事・家族時間 |
保護者のバーンアウト(燃え尽き症候群)のサイン
以下のサインが続く場合、保護者自身がケアを必要としているサインです。放デイスタッフや相談支援専門員、医療機関への相談を検討してください。
- 朝起きるのが辛い、何もやる気が起きない日が続く
- 子どもに対して感情的になりやすくなった、怒鳴ってしまうことが増えた
- 「消えてしまいたい」「誰かに代わってほしい」という思いが浮かぶ
- 食欲がない、眠れない日が続く
- 「助けを求めていい」とわかっているが、誰にも相談できないでいる
iHomeでは保護者さまのこころのSOSを受け止める準備があります。「うちの子の話ではなく私自身が辛い」という相談も歓迎しています。一人で抱え込まないでください。
iHome 児童発達支援管理責任者(支援経験9年)
放課後等デイサービスの現場で9年間、お子さまの支援に携わってきました。この記事は、現場での実体験と最新の制度情報に基づいて内容を監修しています。



