きょうだい児への影響と家族全体で支え合うための考え方
障がいのある子どものきょうだいである「きょうだい児」が抱える悩みと、家族全体でバランスを保つための具体的な工夫を解説します。保護者さまへのメッセージも。
最終更新:2026年04月12日

障がいのある子のきょうだいである「きょうだい児」は、愛情を受けながらも独特の悩みや感情を抱えることがあります。「我慢させてしまっている」という保護者さまの罪悪感と、「本当はもっと構ってほしい」というきょうだい児の思いの間に橋を架けるための考え方を共有します。
きょうだい児が抱えやすい感情
9年間の現場経験で、きょうだい児について保護者さまから相談を受けることが増えています。きょうだい児が抱えやすい感情には以下のようなものがあります。
- 孤独感・疎外感:両親が障がいのある子に時間を割くことで、「自分は二番目」と感じる
- 罪悪感:「自分は健康でよかった」と思うことへの後ろめたさ
- プレッシャー:「しっかりしなければ」「心配かけてはいけない」という過剰な責任感
- 怒り:きょうだいに注目が集まることへの不満や怒り(そしてその怒りを持つことへの罪悪感)
- 誇り・使命感:きょうだいを守りたいという強い思い
これらは矛盾するように見えて、すべて同時に存在することがあります。きょうだい児の感情を「よい感情・悪い感情」と分けずに、あるがままに受け止めることが大切です。
保護者さまができること
1. きょうだい児だけの時間を意識的に作る
週に一度でもいい、きょうだい児と1対1で過ごす時間を設けましょう。内容は特別なことでなくていい。「あなただけのための時間」という事実が大切です。
2. きょうだい児の気持ちを「言語化」する
「○○ちゃんのことが羨ましいと思うこともあるよね。それは自然な気持ちだよ」と言葉にしてあげることで、子どもは自分の感情を否定しなくてよいと知ります。
3. 年齢に合わせた「説明」をする
きょうだいの障がいについて、子どもが理解できる言葉で説明しましょう。知らないままでいることの方が、想像力が膨らんで怖くなることがあります。
放課後等デイサービスがきょうだい児に果たす役割
放デイは、障がいのあるお子さまが施設で支援を受ける時間、保護者さまがきょうだい児との時間を持てるという側面もあります。iHomeのスタッフも、お迎えの際などにきょうだい児のことも話題にするよう心がけています。
「うちの子だけじゃなく、きょうだい児のことも心配している」という保護者さまの声は多いです。一人で抱え込まず、放デイのスタッフや相談支援専門員などのサポートを活用してください。iHomeでは、開所後は家族全体を支えるサポートを大切にしていく方針です。
年齢別:きょうだい児への接し方の工夫
きょうだい児の年齢によって、伝え方・接し方を変えることが重要です。
きょうだい児の年齢 | 特徴 | 接し方のポイント |
|---|---|---|
幼児期(〜6歳) | 障がいの概念が理解できない。「なんで違うの?」という疑問が出やすい | 「○○ちゃんは苦手なことがあるから手伝ってあげようね」と優しい言葉で説明する |
小学生(7〜12歳) | 友達との違いに気づく。「うちの家は変なの?」と感じ始める | 障がいについて正確に・わかりやすく説明する。「特別なことではない」と伝える |
中高生(13〜18歳) | 将来の負担(介護・支援)を意識し始める。反抗・葛藤が強くなることも | 将来について一緒に話し合える機会を作る。「あなたが全部背負わなくていい」と明言する |
きょうだい児のサポートリソース
日本国内でもきょうだい児を支援するリソースが少しずつ増えています。
- きょうだい会(シブリングサポート):同じ立場のきょうだい児が集まる会。オンラインで参加できるものもあります
- 児童相談所・市の相談窓口:きょうだい児自身の悩みを専門家に相談できます
- 学校のスクールカウンセラー:在籍校のカウンセラーに相談することで、学校生活での支援につながります
- 保護者向けの家族支援プログラム:ペアレントトレーニングの中にきょうだい児への関わり方を扱うプログラムもあります
保護者自身のメンタルヘルスも大切
きょうだい児に目を向けるためにも、保護者自身が心身ともに健康でいることが大前提です。「自分を後回しにしすぎている」と感じている保護者さまも多いですが、保護者さまの余裕こそがきょうだい児・障がいのあるお子さまの双方を支える土台です。
放デイをうまく活用して「自分の時間」を作ること、専門家に相談することを恐れないこと——iHomeでは保護者さまのご相談も大切に受け止めています。
まとめ
きょうだい児の悩みは「見えにくい」からこそ、意識的に向き合うことが大切です。「しっかりしてくれているから大丈夫」ではなく、きょうだい児も安心して甘えられる環境を作ることが、家族全体のバランスを保ちます。iHomeでは、開所後は保護者さまを含む家族全体への支援を大切にしていく方針ですので、ぜひご相談ください。
きょうだい児が「将来の介護」を心配し始めたときの対応
中高生のきょうだい児になると、「将来、自分がきょうだいの面倒を見ないといけないのか」という不安を抱えることがあります。この問いには正直に向き合うことが大切です。
- 「あなたがすべてを背負わなくていい」と明言する:社会には障がい者を支える制度がたくさんあることを、具体的に伝えましょう。グループホーム・障がい者就労支援・行政支援など、きょうだいが成人した後も社会が支えることを説明することで、過剰な責任感を和らげられます。
- 将来について「一緒に考える」スタンスをとる:「決定済みの未来」のように話すのではなく、「一緒に考えよう」という姿勢が安心感を生みます。「きょうだいが望む生活を家族みんなで考えていきたい」という方向性を示しましょう。
- きょうだい児自身の夢・進路を最優先に応援する:「きょうだいの面倒のために夢を諦める必要はない」というメッセージを、言葉だけでなく行動でも示すことが大切です。
保護者さまが実践したい「きょうだい児ファースト」の時間の作り方
「頭ではわかっているが、実際にきょうだい児の時間を作るのが難しい」という保護者さまも多くいらっしゃいます。放デイを活用した具体的な時間の作り方をご提案します。
- 障がいのある子が放デイに行っている時間を「きょうだい児との時間」に決める:週1〜2回だけでも、放デイ利用中の時間をきょうだい児のための時間として固定するだけで、きょうだい児に「自分だけのお母さん(お父さん)の時間」という安心感を与えられます。
- 「特別なことをしなくていい」と割り切る:買い物のついでにコンビニでお菓子を選ばせる、帰り道に少し公園に寄る、それだけで十分です。一緒にいること自体がきょうだい児には嬉しいことです。
- 放デイスタッフに事情を伝える:iHomeでも、、「きょうだい児の時間を作りたいので今日少し長めに預かってほしい」というご要望にも柔軟に対応していく方針です。遠慮なくご相談ください。
iHomeがきょうだい児・家族に提供できること
iHomeは放課後等デイサービスですが、お子さまだけでなく家族全体を支えることを大切にしています。
- 保護者面談でのきょうだい児の悩み相談への対応
- 地域の相談支援専門員・家族相談窓口への紹介
- きょうだい児向けの情報(きょうだい会・相談窓口など)の提供
- 保護者同士がつながれる機会の提供(不定期)
「きょうだい児のことで悩んでいるが、どこに相談したらいいかわからない」という場合も、まずiHomeへご連絡ください。一緒に考えます。
iHome 児童発達支援管理責任者(支援経験9年)
放課後等デイサービスの現場で9年間、お子さまの支援に携わってきました。この記事は、現場での実体験と最新の制度情報に基づいて内容を監修しています。



